インタビュー
一般歯科治療
池田 知由
いけだ ともよし
略歴
1987年
日本歯科大学卒業
丸の内ビル・バトラー歯科医院勤務
1990年
神奈川県相模原市において、池田歯科医院を開設
※相模原市地域医療表彰を授与
2008年
東京都世田谷区にクリニックを移転、開設
資格・学会
世田谷区歯科医師会会員
日本歯科医師会会員
先生ご自身について
ご出身はどちらですか?
どんなお子さんでしたか?
どうして歯科医師になろうと思ったのですか?
技工に使っていた歯科材料で、オリジナルのプラモデルを作っていました。
昔はゲームがなかったので、プラモデルを買ってきて、加工して兵隊さんに違う部品をつけて・・日曜は友達も来て一緒に作ってました。歯科の材料で「レジン」というプラスチックがあるのですが、そればあればゼロから作れるので、ジオラマも作っていましたね。
細かいことが好き?
モデルガンを分解して、ガンメタルを塗ったりもしていましたね。
なので、入れ歯も得意です。
治療
歯医者さんって「怖い」「痛い」と思っている人が多いのですが。
自分も子供のころ虫歯が多くて歯医者によく行っていました。
歯医者が嫌いだったので、気持ちが分かります、なので安心して来てほしいですね。
得意な治療は?
駅前なので、入れ歯の調整も気軽に来れるので重宝されています。
それは安心してお任せできます!ちなみに、矯正中に虫歯になる事はあるのですか?
矯正治療前に細かくチェックしているので、出来ても小さい虫歯ですから、ワイヤーを外してすぐ治療できます。
普通は、矯正の歯医者さんで虫歯の治療は出来ません。
当院は、一般と矯正の歯科医師が常駐しているので、虫歯の治療後すぐにワイヤーを着けて帰って頂くことが出来ます。
それは便利ですね。では、歯医者やっててヨカッタ!と思った瞬間を教えてください。
患者さんが喜ぶ姿を見ると、コチラまで嬉しくなります。
趣味を教えてください。
逗子の向こうに佐島(さじま)という所あるんですけれど、そこへ行っていました。
患者さんにメッセージをお願いします!
平日夜は8時までやっているので、仕事の帰りでも間に合います。
駅前ですので、気楽に来て欲しいですね。
インタビュー:2019/4/11
矯正治療担当
池田 潤子
いけだ じゅんこ
略歴
1988年
日本歯科大学卒業
日本歯科大学矯正科教室勤務
1990年
代々木上原K*デンタルオフィス(矯正専門)勤務
1996年
日本矯正歯科学会矯正認定医取得
2008年
東京都世田谷区に池田歯科クリニック開設
資格・学会
日本矯正歯科学会会員
東京矯正歯科学会会員
日本舌側矯正学会会員
先生ご自身について
ご出身は?
大学に入るときに東京に来ました。
どんなお子さんでしたか?
今で言う「リケジョ」だった事と、実家が歯医者だったので「女の子も手に職を付けた方がいい」ということで、この道を選びました。
姉と弟がいまして、みんな歯科医師になりました、歯医者一家です。
実家では、よく仕事の話(歯の話)をします。
歯科の中でも、なぜ矯正を選んだのですか?
あの頃、まだ地方では歯の矯正を専門にやっている先生ってあまりなかったんですね。
大学に入ったら、矯正治療が受けられる、それもまた楽しみでした。
どこで歯の矯正をしたんですか?
実は、父が抜歯して(矯正を)やってくれたのですが、床矯正の装置をちゃんと使わなかったので完全には治りませんでした。
なので、大学に入ってから本格的なブラケットを付ける矯正治療を始めました。
あの頃は矯正専門の医院は前橋には少なくて・・東京にはあるんですよ、東京はすごいな、と。
歯科大学も、その頃は女子の割合がまだ5分の1くらいでした、今は半々くらいですけれどね。
治療について
歯の矯正をするのに、一般歯科で矯正をやっている先生でいいのか?それとも専門の先生がいいのか?とても迷います。インターネットも、情報がありすぎて分からないんです。
目安はありますか?
また、セファロというレントゲン写真による診断を行っているかですね。
セファロって何ですか?何故セファロなんですか?
骨格的な問題はあるか?前歯の傾斜角度は何度か?など数値的な事を診断するは、セファロがないとできません。
上下の骨(こつ)の厚みはどのくらいか、それによって歯はどのくらい動かすことができるか、がわかるので、矯正の診断には必須です。
当院では正面、側面のセファロ写真を撮影しています。
骨(ほね)のことを、骨(こつ)って言うんですね。ちなみに、骨格的というのはどういうことでしょうか?
上顎と下顎の位置が前後的にズレていないか、正面から見て左右の高さのズレがないか、
などをセファロ写真で分析します。
ズレがある場合は、どのくらいズレているか数値で分かります。
まさに、理数系ですね。「このくらいで」という感じじゃないんですね。
最初にお会いした時、もう少し歯を下げた方がいいなとか、お話をしていてもあまり歯が見えないなとか、第一印象も診断の鍵となります。
相談は、本当に無料なのですか?どこまでが相談なのですか?
例えば、抜歯するしないは、お口の中を診ただけは分かりませんので、検査が必要です。
検査する際は料金がかかります。
また、抜歯が必要なら、2年くらいかかりますよという話や、上下に入れる必要がありますとか、そういう話もします。
検査はお金が掛かるのですね。ちなみに、2年は短い方ですか?長い方ですか?
早いと2年掛からない方もいらっしゃいます。
矯正治療は、大人と子供とどっちが多いですか?
歯並びがキレイになったお子さんを見て、「私もやりたいです」という方も多いですね。
大人の方は「私、今さら歯の矯正は無理ですよね」という方が本当に多い。
昔・・・20~30年前に矯正した人が、後戻りしたので治したいという人もいます。
リテーナーをしていなかったり、親しらずがはえてきて、戻ってきたという人もいますね。
あとは、歯周病が原因で歯を支えている骨が吸収し、歯が動いてしまったなど、理由はいろいろです。
子供のころ、歯を抜かずに矯正をしたが仕上がりの形がずっと気になっていて、再度抜歯をして矯正をされたお母様もいらっしゃいます。
その方は「子供の矯正を見てて分かりました、私の場合も抜歯をしないと無理でしたね」っておっしゃってました。
ちなみに、いつまでが「子供の矯正」という扱いですか?
中高生の矯正は、やっている事は大人と一緒なんですよ。
でも、大人と中高生を分けるのは、理由があるんです。
料金的なものは一緒ですが、中高生は成長があったり、将来、親しらずが生えてくる心配もあります。
親しらずが悪さをする事があるんですか?
治療が終わった状態でキレイに並んでいても、将来、親知らずが生えてきて、後ろから押してきて、歯列が乱れてしまうことがあります。
歯を抜くのは、コチラで抜けるんですか?
下歯槽管(かしそうかん)という神経に近い場合や、リスクの高い抜歯は、大学病院にお願いして必要があればCTを撮って抜歯してもらいます。
下の親しらずは、大学病院にお願いすることが多いです。
親しらずがリスクになるという話は、初めて聞きました。ところで、先生は矯正歯科を専門に行う歯科医師ということなんですが、学会の認定医ってどうやって取るんですか?
認定医になっても、毎年学会に出席し、症例発表をして更新していかないといけません。
先生になっても、勉強なんですね。ということは、近いからじゃなくて、技術のある先生のところに行って歯の矯正をした方がいいんですね。
それと、知っておいていただきたいのは、矯正の調整を行うベストな間隔は、1か月に1回ではなく、出来れば3~4週に1回来て欲しいんです。
そうなると、月の頭と終わりと2回来てもらわなくちゃならないときもありますが、
まるまる1か月開けるよりは3~4週に1回で来てもらった方が全体の治療が短くなるんですよ。
3~4週のサイクルが、円滑に矯正治療を進めるのに一番いいサイクルです。
骨の関係ですか?
あとは、ゴムの力も3~4週間でなくなっていきます。
ブラケットが取れる事もあるから、その時はすぐに来てもらった方がいいんです。
なので、矯正先生が常駐なのが、ベストですね。
なるほど、症例を見ていて「仕上がりが早いな」と謎に思っていたんです。
はい。先生の「当たり前」は、私たちの「へえ!」なのかもしれません。(笑)
「本当ですね」「認定医なんですよね?」って念押しされたりして・・。(笑)
常駐していますし、認定医です、はい。
あと、調整時に毎回クリーニングを行います。
これをすることによって歯肉炎や虫歯の予防になり、きれいな仕上がりにつながると確信してます。
矯正装置が入っていると、プラーク(歯垢)が溜まって、歯ぐきが腫れたり、虫歯にもなりやすくなりますので、3~4週に1回のクリーニングを加えてあげることによって、歯肉炎や虫歯のリスクを減らすことができます。
また、定期テストや修学旅行、運動会があったりということもありますので、スケジュールを組むのに常駐の方が都合いいと思います。
なぜ矯正の専門の先生がいいのか?常駐でなきゃいけないのか?の理由が分かりました!
朝6時起きで7時前には家を出て、学校帰りには塾に行ってって・・・大変です。
だから、ユニット(診察台)に座るとカーッて寝ちゃう子もいて「起きて~」という事もあります。(笑)
寝かせてあげられる時は、寝かせてあげています。
・・・優しいですね。「寝ててもいいわよ」なんて先生いませんよ、半分お母さんみたいですね。
母親として
「世の中のお母さんは、こんなに大変なんだな」と思いました。
自分に子供がいない時は分からなかったですね。
お子さんは、おいくつですか?
前歯だけの時は「ちょっと痛い」と言ってましたが、上下にバシって装置を入れた時には「痛い」って電話が掛かってきました。
私はちょうど結婚式に出ていて、「ご飯食べれない」って電話の向こうで言ってるんです。
2~3日で収まると、説明しているんだけど・・自分がやっていた時も痛かったことを思い出しました。
ワイヤーを締めた時は、痛いんですよね。
時間が出来たら、矯正の患者さん用のお弁当レシピみたいのが作れたらいいなと思っています・・・ブログとかにUPしようかなって。
おうちでご飯を作るときは柔らかく出来るけど、お弁当を作る時に皆さん困っているみたいなので「そういう時のレシピを募集します!」というのをやりたいと思っています。
患者さんの方が色々教えてくれます。
ウイダーインゼリーもいいそうですよ。
母親としての同じ経験をしたので、気持ちがわかります。
子供がいなかった時は「歯ブラシしなくちゃダメじゃない、ゴム使ってなかったでしょう!」という調子でしたが、「確かにゴムは使えないよね、正直に言ってみて、学校では無理?」「無理」「じゃあ、夜だけにしようか」というような会話が出来るようになりました(笑)・・・本当は24時間じゃないといけないんですけど、、、自分の子を見ていると アメとムチを使い分けないとということがわかりました。(笑)
・・・同じ目線に立っていただいて心強いです。
「でも今頑張ると、来年の夏には外れるよ、どうする~」って言いつつ。(笑)
実は、親御さんのモチベーションも大事です。
親御さんの「どうしても治す!」という気持ちが大事で、最後まであきらめないであげて欲しいです。
中高生は、まだ矯正をしたその先にどういう未来が描けるか?が分からないことが多いのです。
そこを親御さんが「こんなステキな未来が待っている!」と、うまく導いてくれるといいですね。
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(※インビザライン、以下インビザライン(※)と表記) について
インビザライン(※)のメリットは?
歯肉炎とか、口内炎などの治療中の問題が少ない・・矯正の器具が外せるということはそういう事です。
でも、使わなくちゃならない、着けてないと治りません。
なので、ご本人のモチベーションが大事ですね。
インビザライン(※)は、矯正後がシミュレーションされてきますよね?ならば、矯正の専門の先生でなくてもいいような気がするんですが、どうなのでしょう?
画像上できれいに治っていても、その動きが可能かどうか?は、最終的に経験値が必要です。
(※完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外になることがあります)
それは、矯正治療の長年の経験がないと分からない?
こんなに何十年間もやっていても、治療の最初から最後までの歯の動きを正確にアライナーに組み込むことは非常に難しいです。
何回もやり取りして「そうじゃない、ここは2ミリです」とか、「挺出(ていしゅつ:歯を移動させること)は1ミリです」というように、そこまで指示していかないとならないのです。
どんなやり取りなんですか?
なぜか歯ではなく骨(こつ)が動いている事がある・・画像では治っているんだけど、そんなことはありえない!という事もあります。
セファロを見て「この子の骨の厚さはコレだから、回転させても2ミリが限界でしょう。だから2ミリにしてください」などというやり取りをします。
立体ですね!「頭の中で3D」なんですね!
「ここは傾斜移動で、歯根はそのままにして歯冠だけ下げてください」というような細かい指示して、ニュアンスまで英訳してもらいます。
3~5回くらい、差し戻ししています。
10回くらいやる先生もいます。
歯を抜くか抜かないか?という診断も、とても大事です。
専門のスキルを持った先生にお願いしないとダメ、ってことですね。
さらに、患者さんが装置をしっかり押し込んでくれないとダメだし、そもそも使ってくれないとダメです。
ワイヤーの方が間違いはないです。
実際、インビザラインは自分でも使ってみましたけれど、正直最初は「痛っ」って思いました。
しゃべれないし、こんなの10個も20個も無理だわ・・と思いましたが、慣れます。
やってみると、だんだん楽しくなってきて・・・下の歯が少しデコボコだったのですが、数週間で動いてきました。慣れたら、発音も問題ありませんでした。
次のアライナーを開けるのが楽しくなってきて「もしかして、いいんじゃないか?」と、自分でやって治ったから思いました。
最後は「あーあ、終わっちゃった」という感覚でした。
変化が分かるから楽しいんです。
つかぬことを伺いますが、終わったアライナーは捨てるんですか?
伸びちゃうので、全部取っておく必要はありませんが。
印象に残っている患者さんは?
そして、リテーナー(保定装置:矯正後の後戻りを防ぐ器具)チェックには、何年もたった今でも来てくれてます。
親御さんがちゃんと見てくれているとか、矯正治療中はご家庭で最後までサポートしてくださることとかが、大事です。
子供の矯正は、まさしく親御さんとお子さんの二人三脚ですね。
大人の矯正は「今更なんですけど」とおっしゃる方が多いのですが、「やりたい時が適齢期なんです」とお伝えしています。
出産があったり、子育てがあったりした方が「やっと子供の手が離れたので、やります」というパターンが多いですね。
お子さんが矯正したのを見ていて「やっぱり歯並びがいいっていいですね~」って。
確かにもっと前にやっておけばよかったのかもしれませんが、人生80年だったら40歳50歳でやっても、あと30年以上使うのですから、決して遅いという事はありません。
そこからあと入れ歯になることを考えたら、こっちの方がもっと前向きな投資だと思います。
また、将来インプラントやブリッジを入れることになっても、全体の歯がバランスよく咬んでいれば無理なく入ります。
デコボコで、前歯にすき間がない人に無理やりブリッジやインプラントを入れてしまうと、そこから過度の力が加わり、壊れてしまって一生負のサイクルが続いてしまうのです。
大人の矯正には、そういうメリットもあります。
そんなメリットもあるんですね。「矯正する理由は見た目だけじゃない?」と思っている人、まだ多いですよね。
まずは、噛んで、バランスの取れた噛み合わせを作ってあげること、それは健康のためです。
そうすると、見た目にもキレイになります。
まとめ
お休みの日はどのように過ごされてますか?
自分へのご褒美は、友達と食事へ行ったり、映画へ行ったり・・・。
最近だと、ボヘミアンラプソディーを観に行きました!よかったですね!!
すっかりハマってYoutubeで毎日クイーン見ています。(笑)
患者さんにメッセージをお願いします!
自分で「ダメだ」とか、「もう出来ないんじゃないか?」とか、子供の矯正についても「まだ早いんじゃないか」とか思わず、まずはご相談をお気軽にということですね。
矯正治療は2年くらいかかりますので、その間に受験、就職、結婚、出産など、いろいろなことがある場合が多いです。
できるだけ無理なく、そして楽しく矯正治療が続けられるようにサポートしていきたいと思いますので、些細なことでもご相談下さい。
あっという間の2年でした!やってほんとによかったです!と言って頂けることが、なによりの励みです。
(インタビュー:2019/4/11)
編集後記
先生のインタビューは、アカデミック(学術的)な事についてなかなか突っ込んで聞いちゃいけないと思うのですが、本当に何でも聞けて、優しさが溢れていました。
分からないことをクリアにしてから治療をすることは、とても大事なことです。
ぜひ、どんどん質問してください!