「新年度のスタート!」
4月もあと少しになってしまいましたが、新しい学校、学年には慣れましたでしょうか?
新年度になって、今年も保育園や学校で歯科検診はもう受けましたか?
私も小さなお子様の検診の際、歯並びのことでよく相談を受けます。
いろいろな考えがありますが、私は乳歯列の反対咬合(受け口)は、すぐに治療はせず、前歯が永久歯になるまで様子を見ていきます。
そして、生えてきた永久歯が反対咬合であれば、それから矯正治療を開始するようにしています。
小さいお子様にとって、乳歯列で装置を入れることは大変なことで、やらせるおうちの方にとってもかなりのストレスになります。
そこまでやって治しても、永久歯になって、また反対咬合になってしまうことが多々ありますので、そうなると再度治療が必要になってしまいます。
そんな理由で、乳歯列の受け口は様子を見るようにしています。
それよりも、常に姿勢が悪く、お口がポカンと開いてしまっているお子様が見られ、私としてはそちらの方が気になります。
現在、小児において口唇閉鎖不全(お口ポカン)が見られる割合は30.7%(3~12歳)で
この割合は年齢とともに増加していると言われています。
実は、口唇閉鎖力の弱いお子様は、上顎前突などの不正咬合の予備軍となります。
乳歯列期に口唇閉鎖力を高めることは、やはり不正咬合の予防につながるといえるでしょう!
お口ポカンの原因としては、離乳食の与え方や食事の軟食化、水分による流し込み食べなどありますが、見逃してはいけないのが「口遊び」の機会の減少ではないかと思います。
かつては、子供が紙風船やシャボン玉、吹き戻しなどで遊ぶ様子を見かけました。
「あっかんべ~」などの顔遊びもその一つで、毎日の遊びの中から自然に口腔機能を高めてきたように思います。
また、「口笛」を吹くときには口唇や舌を丸めて微妙に息を吹き出して音がでるように、口唇や舌をうまくコントロールする必要があります。
私たちは、食べるときに歯だけでなく口唇や舌なども使っています。
しかし、最近はマスクをしているせいか「口遊び」をする子供を見かけなくなってしまいました。
是非、ご家庭で「吹きゴマ」や「風車回し」や「ストロー射的」など、昔懐かしい遊びをしてみてください。
遊びを通じて、楽しく口唇や舌の機能を高め、お口を閉じられるようになったら、口呼吸でなく鼻呼吸を心掛けて下さいね!