「寝る子は育つ!見守ろう子供の睡眠!」
今年も東京矯正歯科学会が有楽町朝日ホールで開催されました。
中でも、東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学講座の先生の「子供の睡眠」に関する講演がとても興味深かったです。
わが国では、子供たちも世界一の睡眠不足と言われています。
日本睡眠学会において、睡眠時間だけでなく、睡眠の質、リズム、眠気、睡眠の満足度などさまざまな睡眠の状態が、子供の心身の成長、学業成績にも影響するようです。
さらに睡眠の質に影響する症状として、特に呼吸の状態が重要で、習慣的にいびきをかく子供は、いびきをかかない子供に比べて心身への影響が大きいことが注目されているようです。
子供の閉鎖性睡眠時無呼吸(OSA)は成人と症状が異なり、ただのいびきとの区別がつきにくく、放置されている患者が多いようです。
大人では、一時間に5回以上の無呼吸がみられると閉鎖性睡眠時無呼吸(OSA)と診断されるそうですが、子供においては一時間に1回以上の無呼吸でOSAと診断されるそうです。
また深い眠りが少ないと成長ホルモンの分泌が少なくなり、2歳から6歳にかけてのひどいいびきは13歳から14歳の成長に影響するそうです。
このように睡眠中を含めた呼吸習慣の状態が顎顔面の発育に影響するため、やはり幼少期からの鼻呼吸習慣が重要とのことです。
鼻から呼吸することによって、脳の温度調節を行い、少ないエネルギーで呼吸ができるのでエコであると共に、脳の発達に影響し、認知機能にも関係しています。
我々矯正医は、「鼻がつまることが多いですか?」とか「普段、口を開けていることが多いですか?」とか「夜間、歯ぎしりはしていますか?」という問診は行いますが、これからは睡眠時間やいびきをかいているか、寝起きの機嫌が悪くないか、食欲はあるかなどを問診することも必要であると思いました。
「子ども睡眠健診」プロジェクトなどの新しい試みも始まっているそうです。
子どもたちがぐっすり眠れて、健やかな成長を育むために、我々矯正医もどうすべきなのか、勉強していきたいと思います。
