「理想と現実」
普段、患者さんに、「食べたり飲んだりしたら、歯ブラシ、うがいをして下さいね!」
と言っていますが、現実を思い知らされる事がありました。
世田谷区で行っている『1歳半健診』へ行った時の真面目そうなお母さんとの会話です。
私:「きれいに磨けていますので、これからも頑張って下さい。」
母:「あの、、、時々夜泣きをするので、その時母乳をあげるのですが、その後も歯ブラシをした方がいいですか?」
私:「、、、、、」
衛生士:「、、、、、」
私:「難しいですよね!」
母:「はい」
私:「朝ごはんを食べた後に、いつもより丁寧に磨いて下さい!」
また、歯科健診に行っている保育園の保母さんとの会話です。
保母:「今まで昼食後に歯ブラシをさせていたのですが、どうしてもみんなに目が届かなくて、歯ブラシ事故が危ないので、歯磨きさせなくても大丈夫ですか?」
私:「、、、、こちらから大丈夫とは言いにくいのですが、危なければ、園の判断で、、うがいだけでも、出来ればお願いします。」
本当に「理想と現実」の違いは難しい!
小さい時に甘いのもは一切あげていません!というお母さんがいらして、それは徹底していました。
しかし、幼稚園に上がってお友達が食べていたら、どうしても欲しがるので、あめを一個だけ食べさせて、ちょっと目を離したら、一袋すべて食べてしまったそうです。
歯のために甘いものを与えないというのは、正しいことですが、現実的にはなかなか難しいです。
私は、「甘いものを食べるときは、時間を決めてあげて下さい。その後、ちゃんと歯ブラシをすれば問題ありません。やはり、いつもあめをなめていたり、だらだらお菓子を食べ続けていたりすると、口の中は常に酸性に傾き、虫歯のリスクは高くなりますので、そこは気を付けて下さい。」
と説明します。
理想を追うことはもちろん正しいのですが、時には臨機応変に考えることも大切かと思っています。