「2023日本矯正歯科学会!」
11月1日~3日にかけて、朱鷺メッセ新潟コンベンションセンターにおいて、
日本矯正歯科学会が行われました。
コロナ禍においては、暫くウエブでの学会でしたが、今年は4年ぶりの現地開催で、
私も久しぶりに学会場に行って来ました。
講演や学術展示、矯正材料の展示販売など、昔と同じような賑わいでした。
また、暫くぶりにいろいろな先生にもお会いすることができ、とても充実した学会でした。
最近では、いくつもの会社がマウスピース型矯正装置を開発しています。
しかし、セファロ分析など適切な診断や綿密な治療計画を立てることなく、矯正治療が行われたり、歯科医師が介在しない形でマウスピース型矯正装置が販売される事例があるなど、一部でトラブルが発生している現状もあるようです。
そこで、日本矯正歯科学会では、マウスピース型矯正装置に関わる適切なガイドラインの策定を目指しているようです。
マウスピース型矯正装置に付きましては、テレビなどでも、「噛めなくなってしまった!」
「何年たっても治らない!」「思っていた歯並びと違う!」など、問題が出ているようです。
矯正治療を受ける方にとっては、ワイヤーでの矯正治療より、簡単に治るイメージがあると思いますが、治療をする側にとってはとても難しく、注意が必要となります。
マウスピース型矯正装置は、見た目にはわかりにくいし、ブラッシングもしっかりできるので、そういう面ではとてもいいのですが、やはり不正咬合の種類によって向き不向きがあります。
どの装置で矯正をするにしても、抜歯が必要か否かなど、まずは適切な診断が必要となります。
決して、魔法の装置というのはありませんので、マウスピース型矯正装置でやれば歯を抜かなくてもよいということはありません。
今回の学会においても、マウスピース型矯正装置の問題点と選択基準、または可能性と限界という講演がいくつかあり、勉強になりました。
最後に商社展示のブースに行き、カリエール担当の方とお話をしたところ、「最近は職人気質の先生が少なくなりましたね!」と言っていました。
私が大学の医局にいたころは、ワイヤーベンディングがすごくうまくて、どうやったらこんな風に曲げられるのだろうという先生がたくさんいらっしゃいました。
最近では、矯正もデジタル化が進み、装置も進歩したので、昔のような複雑なワイヤーベンディングを習うこともなくなってきているようです。
でも最後の仕上げで、ワイヤーベンディングを入れて治すだけで、見事に咬むようになるのです。
私もそんなレジェンドと言われるようにますます頑張るぞ!と思って帰って来ました!